「工場の生産管理の仕事っていったい何をやるの?」
「きついって聞くし、未経験だけど大丈夫かな…。」
と不安に思った事ありませんか?
僕は22~23歳の頃、何気なく入社した会社から派遣され、全く未経験の状態から車の部品工場で生産管理の仕事をしていた事があります。
今思えば訳も分からない状態で、よくやっていたなって思えるくらいやりがいもあるけどきつい仕事でした。
その時の経験をもとに、具体的な仕事内容やきついと思ったところをご紹介したいと思います。
これからやってみようと思っている方は参考にしてみてください。
生産管理(工程管理)の仕事内容
未経験でもできるのか?
生産管理なんて聞くと工場の事や製品の事を熟知した、ベテランの社員がやっているイメージがあるかもしれません。
本当はそうでないといけないんでしょうけど、僕が見てきたなかではベテランの社員の中に新入社員や派遣社員といった経験の浅い人も携わっている事が多いように思いました。
大きな会社の正社員だと、入社時に新人研修で作っている製品の事や工程の事もある程度は教育されます。
しかし僕みたいに派遣だとその都度、上司や現場の人なんかに教えてもらいながら手探りで担当する工程の事を覚えていかなくてはならず大変でした。
主な仕事内容とは?
生産管理と一言でいっても仕事内容や、やり方は会社によって全然違います。
作っている製品の種類や工程の数、会社の規模などによっても仕事内容が変わってくるからです。
会社によっては材料の手配から出荷まで全てやらなければならないところもあります。
しかし僕の働いていた工場では生産管理課という部署の中で、材料担当、製品のカテゴリA担当、B担当というように分かれており4人で7種類ののラインを管理するという感じでした。
僕は退職する人の穴うめ要因として右も左も分からない状態で配属されたので、その人が担当していた比較的ボリュームの少ない3つのカテゴリーの担当を引き継ぐ事になりました。
もちろん最初から3つなんて無理なので、1つずつでしたけど。
担当者の主な仕事内容はというと
- 生産計画の立案
- 日々の進捗管理、調整
おおまかにはこんな感じです。あとは書類の作成とか会議に出たりとか細かい仕事もたくさんあります。
生産管理のきついところ
徹夜や休日出勤も当たり前

その工場では月末近くになると、本社から翌月分の注文数がかかれたデータが送られてきて、それをもとに月間の生産計画を立てるというやり方でした。
だいたい20日過ぎにデータが送られてきて、月末から3~4日前には工場全体に計画を展開しなければならないので、その数日間は計画作成に追われます。
膨大な量の注文を納期に間に合うよう設備の状況にあわせて計画を組むので、徹夜になることもあれば土日にでてくる事も珍しくありません。
僕自身も計画の作成時期になると、会社の机で朝を迎えたことは何度もあります。
生産トラブルの対応

ただそんなのはよくある話で、その数日だけ頑張ればいいので本当にきついのは計画を発行したその後です。
生産計画を発行してしまえば順調に生産が進んでいる内は、日々の進捗をみるくらいでほとんどやるは事ありません。
しかし必ずといっていいほど何かしらの問題が起こるわけです。
よくある問題は
- 生産の遅れ
- 不良品の発生
- 設備の故障
- 客先の急な要求による計画の変更
等があります。
他にも生産計画を立てる時ミスるとラインが止まるので、すぐさま現場から怒りの電話がかかってくるので対応に追われます。
僕が最初の頃やったミスは、例えばAという製品とB製品は金型が1個しかないので同時には生産できないというのを忘れて計画組んでしまってラインが止まったとかいうのがありました。
案の定、現場から電話がかかってきて平謝りです…。
大きな会社の製造現場というのは、現場も目標の生産数が決まっていて達成できないと原因を追及されるので特に職長とかの責任者はみんなピリピリしています。
一番きつかったのは僕が家に帰った後でも休みの日でも、工場は24時間稼働しているのでトラブルが起こると担当者である自分に呼び出しの電話がかかってきます。
自分のミスによるものなら当然の事ですが、設備の故障や作業者のミスによるトラブルでも生産管理に連絡がきます。
なので注文数が多く生産がタイトになる月は、ミスがないか気になってチェックに追われてなかなか帰れないなんて事もありました。
営業と現場の板挟みになる

よく言われる板挟みになるというやつですが、これも日常茶飯事です。
僕のいた会社では生産管理は、客先と直接やりとりをせず営業を介して行っていました。
前月に月間の生産計画を立てていつまでに出荷しますという納期回答までやっているとはいえ、客先から急に追加で注文が入るっていうのもよくあるんです。
すると営業から「なんとかしてもらえませんか…。」みたいな依頼がきます。
計画がガチガチに組んであって変更ができない事もあるんですが、それでも何とかしなければいけない事もあるんです。
製造現場ってとにかく急な変更を嫌がります。段取りが狂ったりするんで気持ちも分かるんですけど。
そんな時は、各工程に事情を話してお願いして回ったりしなければなりません。
現場の人もしょうがないのは分かっているので最終的には動いてくれるんですが、嫌な顔されたり文句言われるのは生産管理なので辛いところです。
もちろんやりがいもある


ここまで僕がやっていた生産管理のきついところばかりをお話しましたが、もちろん嫌な事ばかりではありません。
最初は製品の事や製造ラインの事など訳もわかってない状態で放り込まれたのでとまどいましたが、色々な人に怒られながら経験をつんでいくうちに自信がついてきました。
現場や各部署の担当者とも顔なじみになってくると、信頼関係もうまれてくるので少々無理をいっても聞いてもらえる様になります。
担当になると責任も重くなるので、これに耐えられない人には向かない仕事です。
しかし上手く現場を回せられるようになってくると、現場や関係部署の人からも頼りにされるのでやりがいを感じると思います。
生産管理と他の部署との大きな違いは、やはり工場の最初から最後出荷するまでの一連の流れ全てに関わる事です。
一連の流れに携わる事で間接的ながら生産に関わって工場を動かしているという実感がわいてくるので、ここもやりがいを感じるポイントだと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
いくら工場の自動化が進んでいったとしても、ものづくりににはトラブルはつきものです。
生産管理の仕事というのは正直責任も重く、部署間の調整など時には嫌な役も引き受けなくてはならないきつい仕事だと思います。
しかし、現場をスムーズにを動かす為には、生産管理という仕事は工場にはなくてはならない重要な仕事です。
興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。
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